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仏像とは何か

仏像の種類

仏像の形 ・・ 光背  台座  相好  以下次号 印相  持物     


仏像とは何か
簡単に言ってしまえば 仏教の布教を目的として 視覚的に人々の心を信心に向かわせようとしたものです 形や持ち物で どんな種類の仏像か 何を目的としているものかがわかります 仏像の分類の仕方はいろいろあるけれど まずわかりやすい方法を紹介します 仏像には三種類あります 仏様ご本人が 瞑想されているもの 仏法を説かれているもの 極楽に導こうとされているもの すべての仏像は この三種類にわけられます (天部 明王は「仏」とはちがうので この範疇にはいりません) 奈良の大仏や鎌倉の大仏などのように 両手を膝の上におき 目を瞑っておられる姿があります これが 悟りの境地にいるわたしたちの理想のあるべき姿であると人々は憧れたのです この仏像を見て 人々はかくありたいと 願うのです 両手を上向きにしたり下向きにしたりして 立っておられる仏像があります 奈良法隆寺にある釈迦如来などが 有名でしょう わたしたちに 仏教の教えをやさしく説いておられる様子が伝わってきます 今ひとつは わたしたちを極楽浄土へ案内してくれる仏像の形です おそろしく有名なものに平等院の阿弥陀如来があります 平等院は藤原道長が その権力に任せて 自分の極楽をも再現させたお寺とされています 今にも 腰を上げんばかりに前に傾いて わたしたちを極楽へ導こうとしてくれます 死後の世界をおそれた人々が 仏の力によって極楽に行きたいと願う気持ちが こういった仏像を生み出したのだと思います 難しい印とか形がわからなくても この3つの分け方なら 自分でも思い至ることができると思います 今度 仏像を見たら その仏像が何をなさっているところのか ちょっと考えてみてください
種類
  仏像はおおむね 如来部 菩薩部 明王部 天部 の四つに分類されます 如来部
ゴーダマシッダールダ(釈迦)という実在の人物が様々な修行を経て Buddah(仏陀)となりました 如来とは梵語であるBuddahの音読みを表したものです つまり 如来とは悟りを開き仏になったものであることを示す言葉です 仏教では なんびとも修行によって仏になれるとされているので 如来も無数にいることになります しかしやはり一番初めに悟りをひらいた釈迦の像は 格別の存在です ○如来の種類○ 釈迦如来     いわゆるお釈迦様です               よく両脇に文殊・普賢菩薩をしたがえています 薬師如来     名まえからわかる如く厄病から 私たちを救ってくれる仏様です   よく日光・月光菩薩をしたがえています 阿弥陀如来   平安末期から阿弥陀信仰が盛んになり多く作られるようになった如来です 盧舎那仏     根本仏 すべての仏の中心である如来です 大日如来     盧舎那仏と同義の存在ですが 密教では大日如来として表されます ○如来の形○
典型的な釈迦如来の形です(左写真)
座って瞑想しておられます
印は法界定印(ほっかいじょういん)といって 膝の上でかるく親指と手のひらで円を描きます
お釈迦様は背丈が一丈六尺であるとされて 等身大に掘られたものを特に丈六仏といいます

薬師如来は  右手(施無為印・せむいいん)を上げ左手に薬壷を持っています
盧舎那仏は  奈良や鎌倉の大仏様です
大日如来は  仏像のページのトップに置いてあるものです 智拳印(ちけんいん)を結んでいます
阿弥陀如来は 阿弥陀信仰に支えられ様々な形の阿弥陀様が全国各地におられます
             阿弥陀様は時に印に特徴があり阿弥陀九品印という9種類のものがあります


菩薩部
菩薩とは 長い修行を経て如来になる一歩手前にいる修行者の最高位を意味します 悟りを開く前の存在であるため 私たちの煩悩なども理解してくださる存在です 菩薩様に悟りの道へ導いてもらうと考えられるために とても身近に感じられ 多く信仰の対象になりました ○菩薩の種類○ 多くの如来がおらえるように 菩薩もいろいろな方がいます 弥勒菩薩 文殊菩薩 地蔵菩薩 観音菩薩 などの菩薩様がおられます 観音菩薩は特に三十三変化さるとされ 様々な形になって表されます いろいろなご利益を預かるために 多くの観音信仰がうまれました 以下「菩薩」という言葉をのぞいて 観音菩薩の種類を紹介します ・・・「参考」として 写真を紹介します 聖観音は多くの観音の代表格の仏様です 観音様は さまざまな形に変化(へんげ)して衆生を救うと経典に著されているため 他力本願的な発想の強い日本の仏教信仰に適合して 多く拝まれることになりました 十一面観音    千手観音     不空絹索観音   如意輪観音    馬頭観音 などなど さまざまな観音様がいます
明王部
明王とは 如来に近づく悪を破砕する使者のことです ですから ほとんど恐ろしい形相をしているものが多いです
○明王の種類○

不動明王
愛染明王
孔雀明王
金剛夜叉明王
大威徳明王軍荼利明王

写真は 不動明王です
天部
仏教はインドが発祥の地ですが もともとそこには土着の信仰やバラモン教がありました 仏教は それらの信仰も凌駕し その神々を仏教の守護神としていきました 「・・天」と称される仏像は そういった神々をさしています ○天の種類○ 「・・天」とは名づけませんが  十二神将 四天王 八部衆 金剛力士 などもここに属します 梵天 毘沙門天 吉祥天 上へ
印相
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光背
神様や仏様はの神聖さを表すために、昔の人は光を使いました 光を形に表すのは難しく、西洋絵画では 頭の上に光の輪(ニンブス)を描きました 仏画でもそのように表されますが 立体になった場合は平らな面で表されました それを 光背といいます

光背の各部の名まえ 左図参照

1 光背    ・・・全体をさします
2 頭光    ・・・ずこう 頭の部分の丸い光
3 身光    ・・・体の部分を覆う光 挙身光(きょしんこう)ともいいます
4 飛天・化仏 ・・・光背の中を飾る小さい仏や天 
5 周縁部   ・・・光背の縁どり (波打っているものもある)
6 光脚    ・・・光背の下の部分(時代が新しくなると細くなり洗練される)
7 心光(大光)・・・お顔の後ろの部分の頭光を特にこう呼ぶ(八葉蓮華が施されている)

8 頭光と身光が組み合わさっているものをひとまとめにして二重円相部といいます

これは 奈良 薬師寺にある 聖観音像です
光背が完成され なおかつ洗練された形で作られています




光背の種類

円光背     ・・・2のみの光背です
二重円光背   ・・・2と3が双方 円で表された光背です 参考
円相光     ・・・1 つまり外側も円で表された光背です
舟形光背    ・・・船の形をしています(蓮華の花びらを船にに見立てる)
火焔光背    ・・・焔の形をしています 不動明王などの光背です
線光背(輪光背)・・・線で光を表しているものです 

善光寺式光背  ・・・一光三尊のものを こう呼びます 
           大きな光背の中に三体(本尊と脇侍)が収まっているものです
           善光寺のものが完成された形のため 特にこう呼びます 
           参考
                      


一応 上記のような名称がありますが 時代の世相や流行 また発願主の好みにより
様々な形が絡まりあって 透かし彫りになったり 複雑な模様となっている光背がほとんどです


光背は 仏像の威厳をより大きくするための 表現方法の一つと考えてよいでしょう
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台座 ・・・蓮華座 宣字座 裳掛座 榻座
榻座を加筆しました
台座とは文字どおり 仏様が座っている台のことです 仏教で仏様のおられる極楽浄土には 蓮の花が咲いているとされていますので その上におすわりになっている姿が図像として多く形作られるわけです 岩や木株などに座られているものもありますが あまりおおくはありません 多く用いられている台座は 蓮華座です
蓮華座

蓮の花は 池の水面から茎を伸ばして立ち上がるように咲きます
(睡蓮は 水上に花が浮いているものです)
蓮華座はさまざまな形のものがあり 定型というもいのはありません
大蔵教という教本に儀軌というものがあり 
そこにいろいろな仏様の形が記されています
容姿はもとより 居られる場所や持ち物が記されています
それをもとに仏像は作られていますが
仏像の注文主の好みであるとか 当時の流行であるとかが加味されて
様々な形が作られていきました

左の仏像をクリックしてください
蓮華座の各部の名称の参考にしてください
蓮華座の名称と簡単な説明  1 蓮華座(台座)  このようにいろいろなものがついたものを九重蓮座といいます  2 連弁       細かい説明は下記におきます *1  3 連肉       連弁が囲んでいる台そのもののことです  4 上敷茄子     連弁と下の続く台をつなげるものです  5 下敷茄子     いろいろな形がある  敷茄子が一つのものもあります  6 華盤       けばん と読みます 華盤受座に乗っている 豪華さをます装飾です  7 受座       豪華さをます装飾です  8 反花       かえりばな と読みます この造型が台座全体を引き締めます  9 框座       かまちざ と読みます このように二重になっているものを二段框座といいます 10 二重下框座    この九重連座は豪華なので 框座がたくさん重なります *1蓮弁について
 
蓮弁の一枚一枚を散蓮華(ちりれんげ)と呼びます

弁の模様の種類は三種類あります
素弁(1.2) 模様がないもの
単弁      一重の縁取りがあるもの
複弁(4)   弁の中が二つに分かれているもの

この三種類の基本の彫りのうえに色彩をくわえたりします
彫りだけのものもあります

台座は仏像と同年代で残っている物は少なく 後年作り変えられています
火災等の時に持ち出されるのは仏像だけで台座までは避難できなかったからです

蓮の花は仏像の装飾だけでなく 瓦の装飾にも使われました
こちらの方が歴史は古いようです 参考

花弁の向きによって呼び名が違います
請花(うけばな)(1) 普通に上を向いています
反花(かえりばな)(4)下を向いている花弁です

(3)のように 間に見え隠れするものを間弁(かんべん)といいます



これは私の大好きな奈良東大寺三月堂の不空絹索観音の台座です
請華一つ一つに線刻が施されていて非常に美しい造型になっています
反花は単弁です
宣字座

宣字座とは 蓮の花の形をしておらず四角い箱であったり 八角だったりする台をいいます
「宣」という字に似ているので この名前になりました



多くは台座に 御仏の衣が垂れ下がっています
そういったものを 別に裳掛座(もかけざ)といいます
裳掛座は二種類に分けられます  仏様の衣が長く台座の周りに広がっているもの
                              テーブルクロスのように布がしかれているもの




裳掛座は わたしたちがけっこう見慣れた形です
榻座(とうざ)
榻(とう)とは陶器でできたいすのことです
丸火鉢のような形をした置物を日本庭園などで よく見かけますが
あれは置物ではなくて 中国では椅子として使われていたものです
中国の仏像はこの榻にこしかけられているものが多くあります
中宮寺や広隆寺の弥勒菩薩 法隆寺宝物の金銅仏などに多く見られます
榻に掛裳がかかっている場合もあります
←がその例で 裳掛座であり榻座でもあることになります
簡単な変遷 台座も仏像と同様に時代によって 形が変わっていきます 5つの仏像を並べました 左から右へ時代が移ります 次第に装飾が華美になっていくのがわかります
    仏像ははじめ 鋳造仏が多く台座は簡単なものでした 木彫がはじまってだんだん手の込んだ飾りがつくようになります この5つは全部木彫です (1)(2)の台座は花弁だけの装飾ですが (3)(4)になって簡素ながらさまざまな部位がついてきます (5)は 上で説明に使ったように ほとんどの装飾のついた豪華な台座となっています  仏像名のあとに 台座に使われている装飾部位名を記しておきました 画像をクリックすると 台座の拡大図が 出てくるので 照らし合わせてみてください  飛鳥時代 救世観音・・・・蓮肉 複弁の反花  白鳳時代 月光菩薩・・・・間弁のついた請花 複弁の反花  天平時代 釈迦如来・・・・魚鱗型にくまれた蓮弁 丸い敷茄子 複弁と単弁の反花  藤原時代 阿弥陀如来・・・吹寄型にくまれた連弁 平たい敷茄子 簡素な受座に框座 複弁の反花  平安後期 虚空蔵菩薩・・・上記 参照 上へ
相好
仏典などに記された仏の姿で 八十種三十二相あるとされています 32の相があるとされ さらに80にわたり細かく書かれてあります 三十二相
  1. 足下安平立相
  2. 足下二輪相
  3. 長指相
  4. 足跟広平相
  5. 手足指縵網相
  6. 手足柔軟相
  7. 足趺高満相
  8. 伊泥延膊相
  9. 正立手摩膝相
  10. 陰蔵相
  11. 身広長等相
  12. 毛上向相
  13. 一一孔一毛生相
  14. 金色相
  15. 丈光相
  16. 細薄皮相
  17. 七処降満相
  18. 両腋下降満相
  19. 上身如師子相
  20. 大直身相
  21. 肩円好相
  22. 四十歯相
  23. 歯斉相
  24. 牙白相
  25. 師子頬相
  26. 味中得上味相
  27. 大舌相
  28. 梵声相
  29. 真青眼相
  30. 牛眼睫相
  31. 頂髻相
  32. 白毛相
  1. 足の裏が平らで安定している
  2. 手と足に法輪の模様がある
  3. 指が繊細で長い 
  4. かかとが広い
  5. 手足の指の間に水かきのようなものがある
  6. 手足が柔らかく色が良い
  7. 足の甲が亀のように形が良い
  8. 足のすねが鹿のように繊細
  9. 手が長い
  10. 男根が目立たない
  11. 身体の均整がとれている
  12. 身体の毛が上向きに生え右旋している
  13. よい香りを放ち輝く毛が生えている
  14. 身体が金色である
  15. 身体が輝いている
  16. 皮膚が滑らかで柔らかい
  17. 両手足肩・頭の肉付きバランスが良い
  18. 脇腋が引き締まっている
  19. 獅子のように威風堂々としている
  20. 身体が広く端正である
  21. 肩が丸みをもっている
  22. 歯が四十本ある
  23. 歯が白く揃っている
  24. 白く鋭利な歯を持つ
  25. ほほの肉が豊かで獅子のようである
  26. なんでも最上の味を味わえる
  27. 舌が大きく柔軟
  28. 声がよい
  29. 瞳が青い蓮華のような色
  30. まつげが牛の眼のように揃っている
  31. 頭の上が髪の毛を束ねたように盛り上がっている
  32. 眉の間に白毫がある
  1. 慈悲の平等
  2. 人々の迷いを静める
  3. 寿命の長さと敬愛
  4. 未来の人々を救う
  5. >もれなく人々を救う
  6. 誰にでも等しく接する
  7. 人々に幸福をもたらす
  8. 喜びを与え学ぶことが早い
  9. 哀愍摩頂する徳
  10. 多くの弟子をもつ
  11. 無上の法王である
  12. 喜びの心を起こさせる
  13. 罪障を消滅させる
  14. 人々を喜ばせた結果を表す
  15. 迷いを除き願いを叶える
  16. 慈悲をもってご利益を与える
  17. 七随眠を断ち七聖戒を満たす
  18. 人々を看病して得た相
  19. 高い徳を表す
  20. 安心感を与える
  21. 柔軟の徳
  22. 悪口をいわない
  23. 清浄さを表す
  24. 三毒を制する
  25. -----
  26. 人々の願いを満足させる
  27. <嘘をいわないことを表す
  28. 話を聞くものに喜びを与える
  29. なにごとも良く見通す
  30. 眼が清らかである
  31. 頭脳明晰さを表す
  32. 生死の災いを消す
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Tobifudoson Shoboin 私が少し見やすいように表を並べ替えました 上へ
  
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