古美術探訪 用語解説
(*1) 南大門
飛鳥奈良の寺院は寺域を高い築地塀(大垣)でかこみ、各辺に数戸の門をつけていた。
それらを大門とよび、東西南北により南大門などと呼び分けた。
中国の古来の「君子南面す」という考えに習い、寺院も南向きに作られるようになった。
そのために南大門が四面の門のうちで総入り口のような役目を持っていたのである。
(*2) 欄間
卍の模様と人の形をした模様の高さをあわせて1.6メートルもある。
この装飾は、日本の以後の建築にも例を見ない珍しいものである。
いかにもラーメンどんぶりについているような 中国風の趣である。
また「人」の形をした意匠を「人字束」といい、束とは 柱の一番短い物をさす。
この人字束のルーツは、6世紀中国の天竜山石窟にあるとされる。
柱間や欄間の空間を支えるのが一義的な役目だったが、次第に装飾として用いられるようになる。
つまり、人字束は蟇股(かえるまた)のルーツとなるものである。
(*3) 皿斗
東大寺の南大門にも皿斗が用いられているが、これは、皿と斗が一木で繰り出されている。
法隆寺のこの形もおそらく、隋や唐のある一時期の流行を取り入れたものだと思われる。
しかしほかに例を見ないという点において、非常に高い歴史的な価値がある。
(*4) 妻飾り
妻とは、端という意味があり、漢字は当て字である。建築では 家屋の側面を言う。
妻飾りとは、つまり家屋の側面を飾るものである。
飾るといっても、構造材をうまく処理をしてきれいに見せるものである。
(*5) 蟇股
(*2)にて少し触れたが、蟇股とはかえるが正面を向いて座っているような形に見える材のことである。
欄間などにはめ込まれていて、当初は構造材としての役をなしていたが、次第に装飾性を強くしていく。
すかし模様などが施されているものを通常、蟇股と呼び、透かしのない板状のものを板蟇股という。
施された模様によって時代が判別される。
左右対称のものは鎌倉時代くらいまでのもので、それ以降は絵画的な意匠のものが多くなる。
(*6) 組物
組物とは柱の上にあって、屋根や屋根を支える材を受ける部材のことである。
だいたいは、肘木と升の組み合わせによってできている。
法隆寺の組物は、持ち送り程度のものなので強度に問題があった。
次第に壁より先に組物をせり出させて、より大きな軒と屋根を支えられるようになった。
組物は柱にかかる屋根の重みを分散させる役目を担っているのである。
(*7) 三手先
和様の組物の中で完成された形とされるものである
ひじを曲げて腕を差し出すような形で組物を組み屋根を支える
三回腕を差し出しているように見えるために三手先という
唐招提寺の金堂によって三手先が完成された形となったとされている