空をきりとろう
どこまでも続く空を

空には いろいろな人の いろいろな夢が浮いている
悲しい気持ちや うれしい気持ち
待ってる気持ちや 捨ててしまった気持ち
そういった気持ちたちを いつまでも忘れないように
空をきりとって 心に残そう

捨てられた子猫が 空を見ている
会社の帰り道のおとうさんが ふっと 空を見ている
シャボン玉は 空に溶け込む

タバコをくゆらせたおかあさんは ベランダの向こうの空を見ている
行き場のない犬が 空と空の星をを見ている
風船は 空に流れた

やっと夜を過ごした野良猫は 朝日の空を見ている
朝の散歩の途中のその空を 私も見ている
風が 一日を知らせた

しかられて 一人ぼっちの子どもも空を見ている
飛びつかれたつがいの小鳥が 空を見ている
さぁ 巣に帰ろう

恋人を待つ娘は 待ち焦がれて 空を見ている
ほら もう 彼はすぐそばの空の下

空をきりとろう
どこまでも続く空を



いろいろな人が 毎日 空を見上げている
空は 何でも吸い込んでくれる 
あしたは 何もなかったような顔をして 
私は 歩いていこう


空をきりとろう
どこまでも続く今日の空を
















きりとった空



今日はいつ? 仕事の終わり? 昼休み? 家事をしながら 待っている 絶え間なく 流れていく私の時間 とどいたメールが 小休止 仕事と家の隙間にできた小さな時間 その数分をうめて 私で この空のむこうに あなたを呼んでいる 少女みたいに恋をしてをり ありがとう あなたのやさしさに ありがとう  今日もメールにそっとつぶやく 文字だけの 後先のないこの恋は  私の窓からきりとった空 またいつか 絵を見に行こう春の日に 書いてるだけでうれしいの    ほんとうよ まっさきに 朝の散歩の空の色 あなたに伝える定期便 待ちわびて 真夜中になる携帯の ただいまの文字を抱いて眠ろう やきもちをやくのは胸が痛いけど あなたのやきもちは ちょっとうれしい 「来年もよろしくね」そう送った数分後 「今年もよろしく」と書いて 送信 ひとりごと ひとりごと  あなたと私のひとりごと ただそれだけの 交換メール 夕去れば 心寂しく見る月に あなたは見てる? 誰を見ている? 雨の夜 メールがあればひとりじゃない  そんな錯覚 十代みたいね この気持ち書いては削除 また削除 結局日記のような いつものような どこまでも 気持ちが流れていきそうで 電話は嫌いと書いてみた 夕暮れの駅で携帯 打っている あなたの心 しばしとどめん デジカメに空の青さを切り取って 伝えられない想いに変える 湖のほとりの午後のひと時を 七夕 星に願いを込めて 散歩道 書いてはいけない言葉たち 茜にあずけてひたすら歩く 眠れない夜にはいつもメールを送る 寂しい気持ちが消えていく ねぇあわない?ひとりごとの中の言葉とわかっていても 心ふるえる あの星を見た? そんなメールのささやきが この恋の始まりだったなんて あなた 知らないでしょう 過ぎた日々 それが心をつなぐなら 切り取って送ればよかった デジカメの空