家の明かり
















The Dominion of Light 1954:oil on canvas
Magritte Rene 1898-1967
昔から好きだったこの絵がマグリットという画家が描いたんだと知るのはずいぶんと後になってからだった マグリットの名前をはっきり意識したのは 栃木だかどこかの公立美術館が彼の絵を高額で買った時だった あまり 現代物は興味がなかった というより私には理解できないものだと思っていた でもあの時の論議で 少し興味を持ってマグリットを見ていたら  知っている絵がたくさんあって すこし 絵の興味が広がった 言葉による認識 視覚による認識 それらを私たちは脳の中で整理をしているはずなのだけれど それは実は 与えられてしまった認識であるのかもしれない 彼の絵は それらをいったんばらばらにして 私たちの脳に訴えかけてくる 自分の感覚 何にもとらわれない自分の感覚を取り戻すようにと 彼の木は いい 私の家の隣に どういうわけか都会の真中なのに全体のシルエットが夕闇に浮かぶ木がある 家並みのほんの隙間をぬって その木は立っている 星を飾ることもある 月を飾ることもある まだ暗くならない夕方のひと時 くっきりと映し出されたシルエットを見ると  買い物袋をぶら下げた私は 一瞬 マグリットの絵の中に入ってしまって 音と時間をなくしてしまう
BACK privatemuseum-TOP NEXT