ベルギー象徴派展 乱 雑記


bunnkamuraの展示方法は 天井が低いせいもあっていつもどことなしか暗く 息苦しいが
今回はとてもすっきりと展示されていて 気持ちよく見ることができた
絵の飾り方にも工夫がされていて それぞれの絵が引き立つように置かれていた
特にフレデリックの「三位一体」や ラールマンスの「背徳」など とても印象深く見ることができたのは
その絵の持つ力はもとより 展示された順序や配置によるものだと私は感じた
初めて知る画家たちが多かったけれど どの絵もとても力のある存在感を持ったものだった

なんといってもロップスの絵が最初にどっと並んでいたのは圧巻だった
単純に年代順に並べられているとはいえ  はじめ彼の絵が並んでいるのはファンにとっては単純にうれしい
彼の絵の持つインパクトはとても大きいと思う おどろおどろしさとユーモアが渾然としている
光が放たれるようにあるいは何かを空高くばら撒くように 彼の批判精神と淫靡さが絵から飛び出してくる
画面の構成の垂直感(こんな言葉あるのかな)が 内容と画面の暗さを緩和して上昇感に変えているように思う

メルリやルブランという画家は 初めて知った画家だけれど孤独のあらわし方がワイエスに似ている感じがした

クノップフの描く女性はあごが張っていてあまり好みの顔立ちではない
描く内容も 今まで画集で見てきた限りでは私には難解でよくわからなかったけれど
今回来ている絵は ロップスを見た後だからか とても清潔でぐにゃっとしたガラス細工のような感じがした
足のない絵がいくつかあって それがとっても気になったし 精気がない感じでちょっと怖かった
「メリザンド」は とてもきれいな絵で きっと当時のモノクロの写真からヒントを得た絵だろうと思った

スピリアールトの絵の暗さは格別だ
こんなものを描いて何が面白いのかと思うほど どんよりとひたすら暗い
図録を読むと 結婚前は不眠などに悩まされ埠頭などの暗い絵を描いているが
結婚後は落ち着いて 穏やかな絵を描くようになったとある
だが やはり彼の絵の真骨頂はどう考えても暗い絵の中にある
ゴッホも狂気(病気)とすれすれのところで描いている絵がすばらしいことを考える時
芸術とはどういうところから生まれるのかが すこしだけわかる気がする・・・・気がする


社会が成長していくにつれ それを動かしているはずの人間がいつしか社会に動かされ
その中で自分の存在を改めて考える時 人はなぜこんなにも孤独を感じるのだろうと思う

寂しいとか悲しいとか そういった感情以前の問題として 人はひたすら社会の中で孤独だ
ブリトマートのうつろな瞳が そのことを力もなく私の心に訴えているように感じた


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