フランス素描展 乱 雑記


今、少し素描について学んでいたので、興味を持って見に行った。
素描というのは、簡単にいってしまえば絵などの芸術作品の下書きのようなものである。
つまり完成品ではないから、あまり重んじられるものではないような感じもする。
だがしかし、ルネサンス後期の芸術評論家ヴァザーリによって、その価値が持ち上げられた。
彼によると、素描とは「自然界を切り取り、それを芸術へと形作っていくための大事な過程」である。
そして、その過程とは、それを描く人間の思考の過程に他ならないということらしいのである。
つまりどうしてその芸術作品が生まれたかを知るために、大事な手がかりになるものだというのである。
そんなことを少し食いかじっていたから、ちょっとわくわくしていったのだけれど、案外がっかりした。
私には、やっぱり単なる下書きにしか見えない。もうこれは、私の見る目がない・・としかいえないのだが。
でも、その私の浅学をのぞいても、あまりいい展示ではなかったと思う。
作品が小さいのに、大物作品の展示のときと同じように部屋の真中にソファが置いてある。なんだか無意味だ。
私なら、おすすめの素描の近くに椅子を置いたりして、ひとつひとつをゆっくり見られる空間を作る展示にしたい。

ひとつだけ収穫だ!と思えたのは、フラゴナールだった。
油絵のあの色気たっぷりの画風がまったく感じられなくて、ほかの素描に比べて、非常に伸びやかな線で描かれていた。
こういう発見は、どことなく得をした気分になれてうれしい。


・・・


ちょっと、全体として肩透かしをくらったかんじのまま、常設展に足を向けた。
こちらは結構よかった。一生懸命収蔵品を理解してもらおうという姿勢があって、いい感じだ。
今回は、特別展にあわせて、フランスからの作品にスポットを当てていた。
また、春に見たものと違った作品がいっぱいあって、楽しめた。
ただ、ロセッティをもう一回見ようと思っていたので、それが引っ込んでいたのは残念だったが・・・。




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