美しさは祈りの中に

 聖観音

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観音菩薩の中でも 格の上のほうにいらっしゃる聖観音
色々なものに化身して 私たちを仏の道に導くとされている


やさしい顔である どこから見ても女性の観音様だ
多くある聖観音像のなかでも この像はとくに私には 高貴に見える
装飾は華やかであるのにもかかわらず どことなく清楚な雰囲気をもっている
薬師寺の東院堂の 大きな厨子の中で 静かに時を過ごしている
光背の弧が美しく まっすぐに立った像の姿をまた 引き立たせている


今回ちょっと 不思議なことに気がついた
どの写真を見ても 光背全部が写っている写真が見当たらないのである
何度も 薬師寺を訪れては 輝かしい光背の前で深い黒をたたえているその姿に魅せられてきた
厨子の前に座り 見上げた時の姿は ほんとうに神々しい
それを伝えたくても どの写真も 光背が途切れている

30年前の 土門拳の古寺巡礼の聖観音像も そうである
厨子の中から お出になった事がないのかもしれない

光のためだろうか ここに載せた二つの写真は まるで別の像のようだ
私の持っているイメージは どこまでも女性的なたおやかさを持った カラーの方である

土門拳の目にかかると みんな 仏像は骨太になっていく
そういう部分を 引き出されてしまう
そして 祈りは美しさの中に…
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